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高温工学試験研究炉部
JAEA-Review 2021-017, 81 Pages, 2021/11
HTTR(高温工学試験研究炉)は、日本原子力研究開発機構大洗研究所で建設された熱出力30MW及び原子炉出口冷却材温度950Cの我が国初の高温ガス炉である。HTTRの目的は高温ガス炉技術の基盤の確立及び高度化のための試験研究であり、現在まで、安全性実証試験、長期連続運転及び高温ガス炉の研究開発に関する各種実証試験を実施しており、高温ガス炉の実証試験並びに運転・保守に係る実績を有している。2019年度は、2011年東北地方太平洋沖地震以来運転停止しているHTTRの運転再開に向けての活動を昨年度に引き続き継続している。運転再開のためには、2013年12月に施行された試験研究用等原子炉施設に対する新規制基準への適合性確認が必要であり、対応する原子炉設置変更許可申請に対する監督官庁への対応を行っている。本報告書は、2019年度に実施された新規制基準への対応、HTTRの運転・保守管理状況、実用高温ガス炉に向けた研究開発、高温ガス炉関係の国際協力の状況等についてまとめたものである。
濱本 真平; 石塚 悦男; 中川 繁昭; 後藤 実; 松浦 秀明*; 片山 一成*; 大塚 哲平*; 飛田 健次*
Proceedings of 2021 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2021) (USB Flash Drive), 5 Pages, 2021/10
日本が所有するブロック型高温ガス炉であるHTTRの冷却材中の水素と水素化物の濃度を詳細に調べた。その結果、CHはH濃度の1/10であり、従来の検出限界以下であることが明らかになった。冷却材中のHとCHの比がHTとCHTの比と同じならば、CHTはよりHより大きな線量変換係数を持つため、この組成比はトリチウムの線量を最適に評価するための重要な知見である。更に、CHの起源の調査した結果、CHは炉心から不純物として放出されるよりもむしろ、熱平衡反応の結果として生成されることが示唆された。
植田 祥平; 佐々木 孔英; 有田 裕二*
日本原子力学会誌ATOMO, 63(8), p.615 - 620, 2021/08
日本原子力学会誌の連載講座「多様な原子燃料の概念と基礎設計」の第5回として「高温ガス炉と溶融塩炉の燃料」の題目で解説を行う。高温ガス炉の燃料である被覆燃料粒子は、高温ガス炉の高温の熱供給や優れた固有の安全性を支える鍵となる技術の一つである。本稿では高温ガス炉燃料の設計,製造技術,照射性能,実用化並びに高度化開発について述べる。一方、溶融塩炉で用いる溶融塩燃料は燃料自体が液体という特殊なものである。安全性や事故時の環境への影響など優れた性能が期待されているが、まだまだ明らかにすべき課題も多い。その現状について概説する。
沖田 将一朗; 深谷 裕司; 後藤 実
Journal of Nuclear Science and Technology, 58(1), p.9 - 16, 2021/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉の燃料健全性の観点から、通常運転時の核移動速度を抑制することは非常に重要である。最大核移動速度を最小化するための理想的な軸方向出力分布の存在は、設計作業の効率化を可能にする。そこで、本研究では、最大核移動速度を最小化するための理想的な軸方向出力分布を得るために、熱設計を考慮したラグランジュ乗数法に基づく新たな手法を提案する。原子力機構が実施した既存の概念設計を対象として、従来設計目標として用いられてきた燃料最高温度を最小化するための出力分布の場合と比較して、最大核移動速度を最小化するために本研究で提案した出力分布から得られる核移動速度は、約10%低い値を示した。
植田 祥平; 水田 直紀; 深谷 裕司; 後藤 実; 橘 幸男; 本田 真樹*; 齋木 洋平*; 高橋 昌史*; 大平 幸一*; 中野 正明*; et al.
Nuclear Engineering and Design, 357, p.110419_1 - 110419_10, 2020/02
被引用回数:1 パーセンタイル:11.8(Nuclear Science & Technology)固有の安全性に優れ高効率なプルトニウムの利用が可能なプルトニウム燃焼高温ガス炉が提案されている。プルトニウム燃焼高温ガス炉に用いるセキュリティ強化型安全(3S-TRISO)燃料においては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を不活性母材とするPuO-YSZ燃料核へ、遊離酸素ゲッターの特性を有する炭化ジルコニウム(ZrC)を直接被覆する。本論文では、プルトニウム燃焼高温ガス炉の成立性および3S-TRISO燃料の研究開発について報告する。
高温工学試験研究炉部
JAEA-Review 2019-006, 97 Pages, 2019/07
HTTRは高温ガス炉技術の基盤の確立及び高度化のための試験研究を目的としており、2017年度は、2013年12月に施行された試験研究用等原子炉施設に対する新規制基準への適合確認のための原子炉設置変更許可申請に対する審査対応等を行い、HTTRの再稼働に向けての活動を継続している。本報告書は、2017年度に実施されたHTTRの運転・保守管理状況、国際協力の状況等についてまとめたものである。
後藤 実; 深谷 裕司; 水田 直紀; 稲葉 良知; 大橋 弘史; Yan, X.
Proceedings of 9th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2018) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2018/10
HTTRはJAEA大洗に建設された出力30MWのブロック型高温ガス炉である。1998年に初臨界を達成し、将来のHTGR設計に有用なデータが取得されている。HTTRは日本初の高温ガス炉のため、その設計においては大きな保守性が設定されたが、将来の高温ガス炉の設計においてはHTTRで取得されたデータを利用することで、保守性をより合理的に設定することが可能である。また、設計の改良や新しい技術の導入による炉心の高性能化も期待できる。本報では、核設計における保守性の合理化、設計の改良及び新しい技術の導入によりHTTRに比べて性能が向上した高温ガス試験炉の概念について述べる。
後藤 実; 相原 純; 稲葉 良知; 植田 祥平; 深谷 裕司; 岡本 孝司*
Proceedings of 9th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2018) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2018/10
日本原子力研究開発機構はプルトニウム燃焼高温ガス炉の設計研究を行っている。プルトニウム燃焼高温ガス炉は核分裂によりプルトニウムを削減するため、効率的な削減には高燃焼度が必要とされる。燃料設計においては、高燃焼度での被覆燃料粒子の破損を防ぐために、酸素ゲッターとして機能し内圧を抑制する薄いZrC層を燃料核に被覆することとした。被覆燃料粒子の圧力容器としての機能を持つSiC層の応力解析をZrC層による内圧抑制効果を考慮して行い、500GWd/tの高燃焼度における被覆燃料粒子の破損割合は目標値を満たした。炉心設計においては、高燃焼度を達成するために軸方向燃料シャッフリングを採用することとした。全炉心燃焼計算及び燃料温度計算を行い、炉停止余裕及び反応度温度係数といった核特性値、及び燃料温度は目標値を満たした。
西原 哲夫; Yan, X.; 橘 幸男; 柴田 大受; 大橋 弘史; 久保 真治; 稲葉 良知; 中川 繁昭; 後藤 実; 植田 祥平; et al.
JAEA-Technology 2018-004, 182 Pages, 2018/07
日本における高温ガス炉の研究開発は1960年代後半に開始した。原子力機構は国内メーカーと協力して、システム設計, 燃料, 黒鉛, 金属材料, 原子炉技術, 高温機器, 燃料・黒鉛の照射試験、高温熱利用技術等の研究開発を実施してきた。1990年に日本初の高温ガス炉である高温工学試験研究炉HTTRの建設を開始し、1998年に初臨界に達し、その後、様々な試験運転を行い、日本の高温ガス炉技術を確立するとともに、高温ガス炉が有する固有の安全性を実証してきた。本報告書では、高温ガス炉システムの設計例、日本が有する世界最高の高温ガス炉技術及びHTTRの建設、運転保守を通じて得られた知見、熱利用技術について紹介する。
Subekti, M.*; 工藤 和彦*; 鍋島 邦彦; 高松 邦吉
Atom Indonesia, 43(2), p.93 - 102, 2017/08
HTTR炉心の中心制御棒を引き抜く反応度添加抜試験を評価する際、1点炉近似の動特性モデルを用いた解析手法は、最も汎用的である。一方、制御棒が引き抜かれると同時に、将来の反応度および中性子束の変化予測値を速やかに出力するには、非常に速い処理速度を持つ別の解析手法を必要とする。そこで、Time Delayed Neural Network (TDNN)とJordan Recurrent Neural Network (JordanRNN)を組み合わせ、新たにTD-Jordan RNNというニューラルネットワーク・モデルを作成し、HTTRの試験データをオフラインで十分学習させた。その結果、反応度添加試験時の反応度および中性子束の変化予測値を速やかに出力することができた。
片山 一成*; 牛田 宏樹*; 松浦 秀明*; 深田 智*; 後藤 実; 中川 繁昭
Fusion Science and Technology, 68(3), p.662 - 668, 2015/10
被引用回数:16 パーセンタイル:79.15(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉にリチウムを装荷してトリチウムを製造する方法は、核融合炉へのトリチウム燃料の外部供給源の候補の1つとして注目されている。トリチウムを安全かつ効率的に製造する観点から、トリチウムの閉じ込めは重要な課題である。アルミナは気体の耐透過性に優れる物質として知られている。本研究では、市販のアルミナチューブを用いて水素透過試験を行い、水素の透過率、拡散係数及び溶解度を評価した。得られたデータを用いて、アルミナ被覆を施したリチウム化合物粒子からの水素の透過挙動シミュレーション計算を行った。また、ジルコニウム中の水素の挙動に係わる文献値を用いて、アルミナ被覆層へのジルコニウム添加の効果を検討した。500C以上の高温では、トリチウムのほぼ全量がアルミナ被覆層を透過した。しかしながら、500Cでは、微小なジルコニウム粒子をアルミナ被覆層に添加することで、トリチウムの漏れは0.67%以下に抑えることが期待できる。
高松 邦吉; 栃尾 大輔; 中川 繁昭; 高田 昌二; Yan, X.; 沢 和弘; 坂場 成昭; 國富 一彦
Journal of Nuclear Science and Technology, 51(11-12), p.1427 - 1443, 2014/11
被引用回数:13 パーセンタイル:69.89(Nuclear Science & Technology)固有の安全性を持つ高温ガス炉である高温工学試験研究炉(HTTR)において、強制冷却喪失事象を模擬した安全性実証試験を実施した。本論文では、冷却材流量が定格の45t/hから0t/hまで低下し、制御棒が炉心に挿入されず、原子炉出力制御系が作動しない条件における、原子炉出力9MWからの強制冷却喪失(LOFC)時の解析結果を示す。解析より緊急炉心停止系が作動しなくても、炉心の負の反応度フィードバック特性により、原子炉出力がすぐに崩壊熱レベルまで低下し、炉心構造材の高い熱容量により炉内の温度分布がゆっくり変化することを明らかにした。以上により高温ガス炉固有の安全性を示すことができた。
高松 邦吉; 中川 繁昭; 伊与久 達夫
Proceedings of 11th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-11) (CD-ROM), 12 Pages, 2005/10
高温工学試験研究炉(HTTR)では、安全性実証試験として循環機停止試験を実施しており、冷却材流量低下事象に対して原子炉を緊急に停止させなくても、原子炉出力は安定状態に落ち着き、炉内温度の過渡変化が非常に緩慢であるという高温ガス炉の固有の安全性を実証している。本研究では、循環機停止試験の試験データを用いて、動特性解析SIRIUSコードの検証を行った。SIRIUSコードは、原子炉圧力容器表面からの放熱による原子炉残留熱挙動を解析でき、1点炉近似動特性を考慮した原子炉出力の変化や原子炉圧力容器内の温度分布を求めることができる。検証の結果、解析結果は試験データを再現していることが明らかとなり、SIRIUSコードによる炉心動特性解析は妥当であることを確認できた。
高松 邦吉; 中川 繁昭
JAERI-Data/Code 2005-003, 31 Pages, 2005/06
高温工学試験研究炉(HTTR)では、安全性実証試験として循環機停止試験を実施しており、冷却材流量低下事象に対して原子炉を緊急に停止させなくても、原子炉出力は安定状態に落ち着き、炉内温度の過渡変化が非常に緩慢であるという高温ガス炉の固有の安全性を実証している。本研究では、循環機停止試験の試験データを用いて、動特性解析コードTAC/BLOOSTコードの検証を行った。TAC/BLOOSTコードは、原子炉圧力容器表面からの放熱による原子炉残留熱挙動を解析でき、1点炉近似動特性を考慮した原子炉出力の変化や原子炉圧力容器内の温度分布を求めることができる。検証の結果、解析結果は試験データを再現していることが明らかとなり、TAC/BLOOSTコードによる炉心動特性解析は妥当であることを確認できた。
高松 邦吉; 中川 繁昭
JAERI-Tech 2005-030, 21 Pages, 2005/05
高温工学試験研究炉(High Temperature engineering Test Reactor: HTTR)は原子炉出力30MW,原子炉出口冷却材温度(定格運転850C/高温試験運転950C)の黒鉛減速ヘリウムガス冷却型の高温ガス炉である。HTTRでは高温試験運転として2004年3月31日に開始し、4月19日に最大熱出力30MWの状態で1次冷却材原子炉出口温度950Cを達成した。高温ガス炉による原子炉出口冷却材温度950Cの達成は、今回HTTRが世界で初めて成功したものである。本報は、高温ガス炉における原子炉出口冷却材温度の評価手法の提案として、(1)PRM指示値と原子炉出口冷却材温度の関係,(2)PRM指示値と熱出力の関係,(3)VCS除熱量の予測値と実測値の関係、から原子炉出口冷却材温度の予測式を導出した。この予測式は高温ガス炉の原子炉出口冷却材温度の設計に用いることができる。また、本研究における原子炉出口冷却材温度の検討過程は、将来の高温ガス炉(HTGRs)の設計に十分活用することができる。
塩沢 周策; 小森 芳廣; 小川 益郎
日本原子力学会誌, 47(5), p.342 - 349, 2005/05
原研では、高温の熱利用による原子力エネルギーの利用拡大を目的として、高温工学試験研究炉を建設し、高効率発電,水素製造等の熱利用を目指した高温ガス炉システムに関する研究開発を進めている。本記事では、HTTRプロジェクトの研究開発を中心に、その経緯,これまでの主要な成果,現状,国際的な動向及び高温ガス炉水素製造システムに関する将来計画等を紹介する。なお、本解説記事は、文部科学省の革新的原子力システム技術開発公募事業「高温ガス炉固有の安全性の定量的実証」に関する技術開発の一環として実施された成果、並びに、文部科学省から原研が受託して実施している電源特会「核熱利用システム技術開発」により得られた成果の一部である。
中川 繁昭; 坂場 成昭; 高松 邦吉; 高田 英治*; 栃尾 大輔; 大和田 博之*
JAERI-Tech 2005-015, 26 Pages, 2005/03
高温ガス炉固有の安全性を定量的に実証し、また実用高温ガス炉及び第4世代原子炉(Generation IV)の候補の一つであるVHTRの研究開発に資するため、HTTR(高温工学試験研究炉)を用いた安全性実証試験が2002年より実施されている。本報は、2005年3月に計画している制御棒引抜き試験(SR-3),循環機停止試験(S1C-3/S2C-3),流量部分喪失試験(SF-2)の試験内容,試験条件,事前解析結果等について述べたものである。事前解析の結果、炉心の負の反応度フィードバック特性により原子炉出力が低下し、原子炉が安定に所定の状態に落ち着くことが明らかとなった。
伊与久 達夫; 中川 繁昭; 高松 邦吉
UTNL-R-0446, p.14_1 - 14_9, 2005/03
HTTR(高温工学試験研究炉)は、原子炉出力30MW,原子炉出口冷却材温度(定格運転850C/高温試験運転950C)の黒鉛減速ヘリウム冷却型の高温ガス炉である。HTTRでは、高温試験運転モードでの出力上昇試験を行い、高温試験運転モードで使用前検査に合格するとともに、炉心及びプラントの特性を評価するに必要なデータを取得した。本研究会では、高温試験運転モードで実施した出力上昇試験結果の概要を紹介する。
高松 邦吉; 中川 繁昭; 坂場 成昭; 高田 英治*; 栃尾 大輔; 島川 聡司; 野尻 直喜; 後藤 実; 柴田 大受; 植田 祥平; et al.
JAERI-Tech 2004-063, 61 Pages, 2004/10
高温工学試験研究炉(High Temperature engineering Test Reactor: HTTR)は原子炉出力30MW,原子炉出口冷却材温度(定格運転850C/高温試験運転950C)の黒鉛減速ヘリウムガス冷却型の高温ガス炉である。HTTRでは高温試験運転として単独運転を2004年3月31日に開始し、4月19日に最大熱出力30MWの状態で1次冷却材原子炉出口温度950Cを達成した後、4月23日に使用前検査として冷却材飽和値確認検査を受検した。その後、徐々に出力を降下し、5月1日に原子炉を停止した。単独運転終了後、2次側の除熱性能の改善等を目的として炉容器冷却系熱交換器の洗浄等の作業を経て、並列運転を6月2日に開始し、6月24日に使用前検査として冷却材飽和値確認検査,放射性物質濃度の測定検査等を受検した。これにより、高温試験運転にかかわる原子炉の性能試験はすべて終了し、使用前検査合格証を受領した。高温ガス炉による原子炉出口冷却材温度950Cの達成は、今回HTTRが世界で初めて成功したものである。これにより、高温ガスタービンによる高効率発電が可能となるとともに、水を原料とした水素製造に十分な温度を達成したこととなり、原子力の非発電分野での利用の可能性が広がったことになる。本報は、高温試験運転の方法及び結果の概要を示したものである。
橘 幸男; 中川 繁昭; 伊与久 達夫
Nuclear Engineering and Design, 233(1-3), p.103 - 112, 2004/10
被引用回数:1 パーセンタイル:9.98(Nuclear Science & Technology)高温工学試験研究炉(HTTR)の原子炉圧力容器は、内径5.5m,内高13.2m,肉厚122mmの鋼製圧力容器である。HTTRの原子炉圧力容器の通常運転時温度は約400Cであるため、軽水炉圧力容器用合金鋼よりもクリープ強度に優れた2 1/4Cr-1Mo鋼が、原子炉圧力容器用材料として、日本で初めて採用されている。この温度では、鋼材の熱脆化が問題となるため、独自に高温ガス炉仕様を定め、2 1/4Cr-1Mo鋼の微量化学成分を制限している。本論文は、HTTRの原子炉圧力容器の設計(特に、材料),製作,試験,供用期間中検査等についてまとめたものである。(本論文は、HTTRに関するシリーズ投稿の一つである。)